(写真はホテル"Boscolo Exedra"@Plazza della Repubbulica)
ローマ・フィウミチーノ空港から市内まではタクシー定額で40EUと聞いていました。
タクシー乗り場に出ると、わっと客引きが寄ってくる、なんてことは私の旅行の場合には決してありえません。我が家は誰を見ても金回りが良さそうには見えません。
寄ってこないから自分で探さないといけません。
IDはあるか、車には許可証がついているか、なんてことを気にしながらいると、それらしい配車係みたいなオジサンがいたから、タクシーを尋ねてみると、「どーの、こーの、ほれほれ」みたいに調子よく、兄ちゃんに荷物を持たせて、70EUという。あれ、それはリムジーンの片道価格のはず、タクシーではねえぞ、ときっぱりNO!荷物を取り返して、もう一度NO! そったら、タクシーは荷物の分も金をとるだの、何だの、というけれど、そんなん、どうせ聞いてもわからん、NO!
しばし、あたりを眺め、夫と息子に荷物の番をさせて、あたりの偵察に出向く。空港内のインフォメーションでタクシー代を尋ねたら、「40EU。never more than 45EU」と、逞しいお答。教えられた場所に近づくと、タクシー溜まりみたいなところが見えた。でも、その手前にはIDらしきものをつけた白タク風のおっさん。面白半分におっさんに「いくらだ?」と聞いたら130EUだという。愛想大変結構。ローマの白タクはIDをつけていると聞いたことが確認できて満足。
本物のタクシーらしい行列があり、そばで警官としゃべくっているイタリアおばさんがいたので、おばさんの友はおばさんとばかりに、「タクシー、dove?」と聞いたら、指さして教えてくれて、40EUだと。
かくしてめでたく家族そろってタクシーに乗り込んだはいいが、運ちゃんが乗り場の脇の掲示を走り過ぎながら指差し「60EU」とのたまう。???である。前の座席に夫。後ろに私と息子。乗り場脇の掲示には確かに60とあったが、何が60までは到底読み取れなかった。車内の掲示(これがまた英語のところは床に擦れるほど下にしかない)を熟読。市内までの定額料金は40EU。夜間とか祝日とか割増があって、荷物1個につき1EU増しらしい。さっきの60EUは何だろうと不思議だけれど、とりあえず、42でチップつけて45EUで押そう、と息子と決定。
こういうときに能天気な夫は遺跡らしきものが見えるたびに拙い英語で運ちゃんに尋ねている。後ろで妻がぼられる心配をしていようなんて思いもしないお気楽な人である。余計な親善せんでおくれやす、だ。「60じゃぼられてんだからね」と声をかけても「いいじゃないか、さっき60って出てただろ」と事なかれ主義。
ホテルにつけば、当然、ドアマンがドアを開けてくれるはず、だったら交戦しても大丈夫ね、と思いきや、ホテルの正面階段直前にはつけやがらない。確かに混雑もしているのだが、ここでまた脳内赤信号がともる。開発途上国でならぼられてもあきらめるが、イタリアではぼられたくない。
"tariff is 40eu, plus 2 luggages and tip for you"
そう話しながら、45EUを渡したら、敵さん、素直にgrazie.
かくしてめでたく、共和国広場前の成金ホテルに到着したのでした。
このホテル、どこにコンシェルジェがいるのか、そもそもベルボーイがいるのかもわからず、人的サービスには問題ありだけれど、建物と部屋の天井の高さは感動ものでした。