それにしても、まさかこれほどとは!大阪万博(古ッ!)の月の石の行列も、新年福袋の行列もこれには到底かないません。予約時間の9時半にはすでに恐ろしいほどの人の列がバチカンの城壁にそって出来ていました。こちらは予約してあるんだからと、どんどん先に進むものの、それすらこれから並ぼうという人たちをかき分けてのことです。そして、もちろん初めてですから、コノ先ニ進ンデモ大丈夫カ?の黄信号が頭の中で点滅しておりました。
結局、€4の勝利でした。プリントアウトしてきたバウチャーを見せて、はいよ、っと通してくれました。とはいえ、中でもう一度、ほんのちょっとだけ並んで入場。エントランスが妙にわかりにくかったなあ・・・。
それにしても、朝とはいえ炎天下。あの行列の人たちは入館した時点で、目的を果たした気持になるのではないかしら。あれほどの行列を我慢して入って美術鑑賞ができる人は、本当に素晴らしいです。いや、あの行列で並べたからこそ、その後も続く混雑に耐えられるのかも。
ここで細々とバチカンの報告ができるかというと、できません。中がまだ混雑につぐ混雑。博物館の類はすべて第一室は込むものだから、先に進めばいいかなあ、と思いきや、それは甘かった。どこへ行っても朝の新宿駅よりは多少マシという程度の混雑ぶり。しかも中庭などを除けば一方通行。渡されるパンフというか、一枚ぺらの案内は大変簡素で、独りよがりで、私など何度も監視員に「ここはどこ?」と尋ねました。そのくらいわからない。展示物の案内もイタリア語だけじゃなかったかなあ?英語ついていたかなあ?イヤホンガイドはあったけれど、たいして有効でもなかったし(聞いていると時間がかかりすぎる。聞きたいものには案内がない)。
そりゃあ、かの有名な「ラオコーン」は迫力がありましたよ。怖い、怖い。「よき羊飼い」はかわいらしかったし、いいんですよ。ラファエロの間もありがたかったし、システィーナ礼拝堂もご立派でありました。はい、素晴らしい。
でも、私はバチカン博物館、嫌い。人を入れすぎ。美術品を見せるというより、ありゃあ、カトリック宝物館ですわ。・・・知り合いに、ゆっくり見たいから、とあそこだけを目当てに3度目のバチカン詣でに行った人がいますが、そうでもしなきゃ、やってられません。
込むってことは、うるさいってことです。システィーナ礼拝堂では、1分間に1度くらいは「シレーンシォ!」と放送が流れる始末。そうでなければ「シーッ」が流れる。。礼拝堂だから静粛に、っていっても、あんなにでたらめに詰め込んだら、どんな厳かさだって負けますよ。ざわざわざわざわ・・・
この時点で我が家は3人ばらばら、携帯で連絡を取り合うはずが圏外ばかり。私は迷子になり、うろうろと歩くうちに現代美術のセクションに入り、そこで息子と出会いました(が、すぐに別れました)。
さらに迷いつつ出口に向かうのですが、もうこのころはドーデモエエワ気分で、すたすた歩き、たまに目に入ったものといえば、ニクソンが教皇に送った月の石とか、まあ、やっぱり宝物館やなあ、と思えるものです。
まあ、もう少し人が少なければ、もっと感動できたかも。知り合いにここだけを目当てに3度目のローマという人がいますが、むべなるかな、であります。でも、私はたぶん2度目のリベンジしないなあ。
ふーっ、と疲れ果てたバチカン博物館。
そのあと、夫はホテルに帰ってシエスタ、息子はサンタンジェロ城へ向かい、私は素直にサン・ピエトロ大聖堂へ足を運びました。ピエタさえ見ればいいや、と。
さすが荘厳な聖堂。そりゃあ天下のカトリックの大本山ですもんね。その片隅のピエタ、よかったです。ガラスケースってのがいただけませんけど。それから、ヨハネパウロ2世でしたっけ、先代の教皇の御遺体が展示っていうのかなあ、ま、あったんです。電飾つきで・・・こういうの、ついていけない。先々代とおぼしき方のも・・・。聖堂はバチカンほどの混雑ではありませんでした。でも、クーポラ(頂上の丸いとこ)へ行く入口は長蛇、長蛇。へたれですから、リタイアしました。
オマケ
混雑の中で一際元気なのは、韓国からの団体さんです。10数年前の日本人はこうだったんだろうな、と思わないではいられません。
バチカンに切手ビジネスがあることはかねてから知っていましたが、郵便コーナーが賑わっておりました。みんな世界で一番小さい国からハガキを出すことに意味を見出しているんでしょうねえ。中には本山から、というありがたみを覚える人もいるかしら。