2009年8月22日土曜日

いざ、フィレンツェ

フィレンツェへの移動もTrenitalia、イタ鉄を使います。
ユーロスター、今度は落書きもない、きれいなユーロスター。2等車だけれど、近代的なモニター付き、読書灯つき、ただし、身動きすら困難な体ぴったり座席(またしても思う。大柄な人はどうするんだ??)。

夫と息子が並び、私はイタリア人ママの隣になる。対面シートにはならないみたい。イタリア人ママには通路を挟んで中学生くらいの娘さんと、小学生の坊やがいた。この坊やが2時間弱の道中なにかと言っては
ママに甘えてくる。イタリア男はみんなマザコンというが、その原点を見る思いである。ママを相手にじゃんけんをする。

延々とするので、私まで覚えた。イタリア語のじゃんけんは「びん、ぶん、ばん、くしゅ、くせ、ばんかーら」といって、出すのである。手の形は日本と同じグーチョキパー。よっぽど教えてやろうかと思ったけれど、この先ずっと子どもの相手をするのはご勘弁だったから。後車写真で私の前を歩いている野球帽少年がその子です。(アメリカでもないのに野球帽をかぶっているとはオドロキでした。アニメのキャラがついていたけれど、もしや日本アニメだったりしてね。)


フィレンツェの駅から市内まで定額料金タクシー。ぼられはしなかったものの、狭い道をとばすので冷や冷や。で、アルノ川のほとり、ウフィッツィの隣のホテルに着いた。

建て増しの温泉宿のような通路を通って案内されたのは2LDKのアパート同様の間取り。長逗留をする人のためなんでしょう。台所がイタリア~ン。
食器もカトラリーも一通りありましたが、鍋釜がない。たぶん、鍋を貸し出すことで、調理可能になり、宿賃もUPするのでありましょう。

ついでにバスルームも。こちらはモノトーンでまとめてありました。ベッドルームはどうだったっけ??なんかごく普通だったような・・・。いかんね。すぐに忘れる大人の旅。

そうそうウフィッツィを語らずしてホテルの話なんかしていたらしょうがない。いくら私たちでもすぐに隣へ行きましたよ。ここも日本で予約済み。インターネットはありがたや。

私にはこの建物が美しいとはあまり思えなかったのです。狭いところに無理して立ててるな、というのが正直なところ。アルノ川に浮かぶ空中回廊をイメージして・・・なんて記述をどこかで読みましたが、はぁ?と思うばかり。
しかし、中はすごかった!開けてびっくり玉手箱!立派な作品揃いです。もちろんここにも韓国人団体客がたんまり、日本人グループ少々でしたが、あんなに急いでみたらもったいない!ガイドの言うことなんかあとで本読めばいいから、一つ一つ自分の目で見てみてよ~といいたくなります。そりゃ私だって知ってる画家なんて数人でしかないんだけれど、ここの展示は流れがよく感じられる展示です。ルネサンスが人間再生であるということがよくわかりました。様式的な画題の中にも次第に生身の人の顔が感じられるようになります。(ま、私は様式ごりごりのビザンチン美術のファンでもありますが)。とにかくボティッチェリだけ見たんじゃさびしすぎ。いきなりヴィーナスが舞い降りたわけじゃないの。ウフィッツィを順に見ていくと、人間ってがんばっても結局人間でしかないんだなあ、みたいな親しい気持ちになれますね。ルネサンスを実感できただけでも、イタリアへ来た甲斐があったというもの。

加えてウフィッツィの採光がすぐれもの。天井から自然光がうまく取り入れられ、照明と組み合わされて柔らかい光の中で絵を見ることができます。採光の悪い美術館は目が疲れますもんね。

図録買いたかったけれど、重かったし、DVDを買いました。日本の旗マークがあったから、大丈夫だと思ったわけです。たまたま日本人のオジサンに「これ、日本で見られますかね?」と聞かれたので、大丈夫ですよ、とエラソーに答えました。ところが・・・ヨーロッパ方式で単に日本語音声ありというだけだったのです。当然、普通のDVDデッキでは再生できず、拙宅秘蔵の某国製オールマイティDVD(1万円そこそこのシロモノ)の世話になりました。オジサンごめん。

午後たっぷり、足がへとへとになるまでウフィッツィ。

そうそう、ウフィッツィの売店は次々と現れるのです。これで終わりかな~と思うと、またちょっと行くとある、という感じ。まるで関所みたい。だからこそ、ひっかかるのはDVDだけで沢山と思い、初回以降無視の連続だったのですが、たったひとつ心残り。最後の関所にあったフェラガモのスカーフ買えばよかった~。グロテスク柄があしらってあって、ちょっといい感じだったんだわ。