2009年8月29日土曜日

ペルセウス

旅行前に行きつけのイタ飯屋のママから教わったトラットリア(格式ばらない
レストラン)はフィレンツェにある店でした。
まず1軒目はトスカーナ名物ビステッカをキロ単位で食べさせてくれるという "Perseus"。ママからは「残すつもりで食べてね。昼ごはん、まともに食べていったらダメよ」と言われておりました。観光客の集う旧市街からは離れているので、タクシーを使います。


ビステッカとはTボーン・ステーキのこと。ただし厚みが半端じゃありません。本当は3人で行った場合は1.6キロからの注文なんだそうですが、小柄な日本人3人組は1.1キロで許されました。とはいえ、ごらんの写真Tボーンが屹立しているのがわかるでしょうか。その周りで、かつおのたたき風な断面を呈しているのが牛肉です。

なあんだ、ただのステーキか、と思わないでください。ただの塩コショウじゃないんだから。・・・下味の秘密が何かはわかりませんでしたけど、アメリカのステーキとはちょいと違うな。ローストビーフとも違う。シャトーブリアン・ステーキが近似。ただし、ヒレ肉じゃない分、脂が焼けている旨さがあります。

1.1キロなんてどうしよう?と思う間もなく完食。たぶん息子はもうちょっと食べたかったのではないかしら?お店自体は地元民で込み合い、カメリエーレもオジサンも飾り気がなく、アメリカの田舎食堂でも十分勤まりそうです。スティックサラダの大盛りが突き出し代りにおいてあるのですが、こういうものの鮮度と温度には無頓着。隣のテーブルは、いかにもデートという後期青年(初期壮年)と女性。KYっぽい男がただひたすら喋りまくり、女はフンフンと相槌を打つだけ。間違いなくこれが最後のデートだろう、と思ったね、私は。

順序が逆転しますが、ペコリーノ・チーズと松の実のアンティパストも大変おいしかったです。薄切りりんごの上にペコリーノ・チーズがのり、松の実がかけてあり、さらに例によってオリーブオイル。あしらってあるのはチャイブもどき。これなんかはすぐにでも真似が出来そう・・・ペコリーノ・チーズが日本じゃ高いけど。

写真で向こう側にあるのは、マッシュポテトを生クリームでのばしてトマトソースの上に乗せて焼いた、グラタン的なもの。セコンドだったのか、コントルノ(付け合わせ)だったのか、もう忘れました。

帰りはカメリエーレ氏にチップを払いながら、「タクシー呼んでね」とお願いし、店の外に出て、平気そうな顔でタクシーを待ちました。(車来るまで全然平気じゃなかったよ~。)