2009年8月26日水曜日

フィレンツェ教会まわり

ウフィッツィを見るまでは、今一つフィレンツェに魅力を感じなかったのですが、見た翌日は俄然積極的に街めぐりとなりました。
あいにく日曜日で、教会内部は午後まで入れなかったりしたのですが、朝、手始めにヴェッキオ宮へ行きました。ローマでもそうでしたけれど、観光名所はいずれも空港並みのボディチェック。ヴェッキオ宮はおなじみのカバン透視機械(本当は何ていう名前なの?)がないためか、係官の前で、カバンを開いて中身を見せて見せて通ります。右の写真のホールで荷物検査です。


確かに外側から見ても別にどうっていうことない古い建築物。もしかすると、広場にあるダヴィデのレプリカに心奪われるかも。ところが中へ入ると、なかなか見せてくれる建物なのです。500人広間は有名らしいです。パイプ椅子が並べてあるあたりを見ると、市庁舎の施設の一部として、今も使われているのでしょう。

中を歩き回って見物ですが、お急ぎ観光客は少なく、ゆったりと見ることができます。ガラス越しに向こうを見ると景色がゆらめく硝子、なんとも味わいがあります。こんな小さな写真ではわからないかもしれません。そして、階段の踊り場にあるライオン。ぼーっとした抜け作ぶりに思わずツーショットですわ。

ヴェッキオ宮のあとはドゥオモことサンタ・マリア・デル・フィオーレ教会にジョットの鐘楼(エレベータなしの階段414段。当然辞退、有料だし)、サン・ジョバンニ洗礼堂。ドゥオモはさすがにデル・フィオーレの名に恥じない美しい教会です。緑と白、赤、ピンクの大理石が建物に美しい模様を織り上げています。




マリーノ・マリーニ美術館があると知り、新しい彫刻を見に、方向音痴が頑張ってたどりついたのですが、夏期休館中。

その彷徨中に通ったサン・ロレンツォ教会。ファサード(正面デザイン)未完成。とはいえ、なかなか迫力あります。ミサ中で中に入れなかったのが残念。


この間、息子はピッティ宮とボーボリ庭園に行っておりました。庭が好きなようです。それとも親と歩きたくないだけかもしれない。昼ごはんは広場に面したおしゃれな本屋Edisonで待ち合わせ。

ここの品揃えを見る限り、イタリアではまだまだ文学が売れているようでした。村上春樹も龍もおいてありました。そういえば、電車でも飛行機でも本を読む人を見かけました。ハードカバーの立派な本。読書人口多いんでしょうね。携帯の電波状況が改善されたらどうなるかわかりませんけど。

フィレンツェは京都と姉妹都市だそうで(実は岐阜市とも・・・)、教会の数に事欠きません。

午後イチはサンタ・マリア・ノヴェッラ教会。(ここの修道院から生まれたサンタ・マリア・ノヴェッラ薬局のほうが有名かも。)ここのファサードはモノトーンっぽく、デル・フィオーレに比べると平面的ですけれど、全体としてはなかなか装飾的に仕上がっています。中庭のぐるりが墓石で、しかもそれ自体がタイルのように配置されていました。今回いろんな形で教会内部のお墓を見ているのですが、実は何にもしらない教会お墓事情。帰ったら同僚の元神父に教えてもらおうと思います。ともかくこうして教会にはまっていく私。

そして、アルノ川近くまで戻って、今度はサンタ・クローチェ教会。ここのファサードはというと、塔がつんつんたっているあたりが他と違うんでしょうね。だんだん教会に目が慣れてきて、見分けがつくようになりました。ここは内部が工事中でガリレオのお墓は拝めませんでしたけど、ロッシーニとミケランジェロは拝めました。左下の写真はロッシーニのお墓。わからないと思いますが、ト音記号が模様に使われていて、わかったような気がするお墓。サイズ的には巨大仏壇が壁に埋め込まれているという感じ。壁一面いくら、で買って作るんでしょうかねえ。

工事中で見られないものも多いのですが、それにしても名品がたくさんあるはずの教会なのです。ところが経費削減か何かわかりませんが、案内がまったく貧弱で、いささか消化不良気味のまま、参拝終了。教会は美術館じゃないぞ、といわれれば、まったくもってその通り。判別する眼のない私がいけないのでしょう。

ここらあたりでいい加減、足が棒のようになっておりました。


アルノ川をグラツィエ橋(あれ、これって「ありがとう橋」ってこと?)で渡り、有名すぎるポンテ・ヴェッキオを眺めます。美しい教会建築に比べると、どうひいき目に見ても、うまいこと作った不法建築でしかないんだけどなあ・・・オペラ「ジャンニ・スキッキ」で歌われているくらいだから、こじんまりした美しい橋なんだろうと思っていました。